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素材が良い、だけでは料理にならない。
料理の完成度は、素材の良し悪しだけで決まるものではありません。どの素材を、どの状態で受け取り、どの工程で料理に変えるか。糀dining39シトラスでは、仕入れを料理のはじまりと考えています。海|栖原港(すはら)苑田は朝、知る人の少ない小さな港へ出向きます。漁師から一尾ずつ手渡しで受け取り、身の張り、脂の入り方、その日の海が残した気配を見極める。「今日は、鱧なかったん?」「暑かったやろ。」交わす言葉の間にも、献立は静かに動き始めます。山|紀州有田の実り畑で育った葉や実には、季節の速度が宿っています。香り、苦味、瑞々しさ。皿を飾るためではなく、旬の輪郭として寄りそわせます。見えない仕込み|糀と出汁三種の削り節と昆布から引く出汁。糀で醸す下ごしらえ。素材の内側にある静かな旨味を、そっとひらくために。手渡された魚を見極め、畑の実りに耳を澄ます。余分を足さず、必要な時間を置く。その一連が、私たちの「仕入れ」です。
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