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かえし

かえしとは何か

つゆを作るたびに醤油と甘みを合わせていては、味が毎回ぶれます。先に合わせて寝かせ、角を取ったものがかえしです。

あとは出汁で割るだけになります。料理ごとの分量を覚える必要がなくなり、比率だけ覚えればよくなります。

配合|仕上がり 約520cc

薄口醤油(丸島醤油) 200cc 骨格

濃口醤油 100cc 香り

本みりん(九重味淋「九重桜」) 150cc 甘みの引き

日本酒 50cc 伸び

黄ザラ糖 30g 甘みの押し

甘みを二層、塩を二層に分けています。

みりんが甘みを引き、黄ザラ糖が押す。薄口が塩の骨格を作り、濃口が香りを足す。一種類ずつでは、この幅が出ません。

作り方

  1. みりんと日本酒を鍋に入れ、2〜3分煮切ります。

  2. 黄ザラ糖を加え、完全に溶かします。

  3. 醤油を加えます。80〜85℃で火を止めます。

  4. 冷ましてから冷蔵庫へ。最低2〜3日、できれば1週間置きます。

沸騰させない

ここでいちばん差が出ます。

沸騰させると、醤油の香りが飛びます。残るのは塩気だけで、角が立ちます。一度飛んだ香りは、寝かせても戻りません。

80〜85℃は、鍋の縁に細かい泡が並び、中央がまだ動かない状態です。温度計がなければ、そこで止めます。

寝かせる

できたてのかえしは、醤油の角が立っています。

2〜3日で角が取れます。1週間で全体がまとまります。急ぐなら2日でも使えますが、味は別物です。

冷蔵で1か月を目安に使い切ります。日が経つほど香りは落ちます。

出汁と、割る比率

出汁は、船場靭鰹節店の当店指定の配合節を使っています。鯖・メジカマグロ・鰹の三種で、主体は鯖です。比率は書きません。店の署名にあたるためです。

水1Lに対して節40g、昆布10g。昆布は水から入れ、沸く手前で引き上げます。

節を入れたら沸騰の直前で火を止め、2分置いて漉します。

絞りません。絞ると濁りと雑味が出ます。

つけつゆ 1 : 3

ぶっかけ 1 : 4.5

にゅうめん・かけ 1 : 7〜8

天つゆ 1 : 4

煮物八方 1 : 8

かえし1に対して出汁がいくつか。それだけです。

醤油とみりんの選び方

薄口は丸島醤油。小豆島の蔵です。マクロビオティックの桜沢如一が監修しています。

濃口は香りの役です。

本みりんは九重味淋の「九重桜」。

代えるときの基準は、原材料表示で決まります。

醤油は、原材料が「大豆・小麦・食塩」だけのもの。

みりんは、原材料が「もち米・米麹・焼酎」だけのもの。

みりん風調味料では成立しません。アルコールがほとんど含まれず、煮切る工程が意味を持たないためです。

そうめんつゆにするなら

かえし1に対して出汁3。つけつゆの比率です。

ぶっかけなら1 : 4.5まで薄めます。氷が溶ける分を見込んで、やや濃いめに作ります。

この設計は、和歌山・有田川町の完全予約制の店で使っているものです。

かえしは、醤油とみりんと砂糖を合わせて寝かせた、つゆの素です。これが一本あれば、そうめんつゆも天つゆも煮物も、出汁で割る比率を変えるだけで出せます。店では毎日これを使っています。

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