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7月28日 有田川町の発酵は、海から。──網に入ったものが、その日の品書きになる

更新日:4 日前

海が決めた顔ぶれを、こちらが読み解く。 

朝の板場は、その順序で始まります。


献立は、あとから決まる


多くの店では、献立が先にあります。 

書いたものを揃えるために、魚を探す。当然の順序です。


当店は逆で、魚が先にあります。 

朝早く、湯浅の栖原(すはら)港まで、こちらから会いに行きます。

栖原港、恵比寿丸。
恵比寿丸。この船が持ち帰った朝です。

漁師さんの手から、直接受け取ります。 

「今日は、鱧なかったん?」「なかったよー」「暑かったやろー」「暑いてー」

——そんな言葉を交わしながら。 

魚種も、大きさも、指定はしません。その朝の網に入ったもの、漁師さんが選んだ魚が、その日の品書きになります。

栖原港の水揚げ風景・発泡箱に鯛・いとより・鯵・鯛・海と防波堤の背景
 その朝の箱。鯛、いとより、鯵。 

先週は、いとよりと鯵が多くありました。 

箱を開ける前に、もう海の気分は聞いています。


弾かれる魚が、いない


指定しないというのは、不便を引き受けることです。 

けれど、そうすると獲れたものが全部行き先を持ちます。形が悪い、小さい、名の通りが悪い——そうした理由で行き場をなくす魚が、この板場には入ってきません。


大きなものは造りと焼き物に、頭も骨も皮もスープへ。 

小さなものは焼き干して、挽いて、塩と合わせます。当店の「うお塩」になるのはこの魚たちです。


不便を引き受けるほうが、結果として一尾を長く使えます。


海のほうが正しい。 

毎朝、そう教わっているようなものです。


有田川町の発酵と、栖原の朝




糀dining39シトラス 

和歌山県有田川町小島215-5/0737-52-3939(水曜定休)

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