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発酵と大地の覚書
書いてから、揃えるのではありません。
その朝、網に入ったものから始まります。
有田川町の板場に日々起きることを、事実のまま。


三年間の仕事を受け取る。南あわじの生簀へ
南あわじの生簀を訪ね、生産者が三年間育てる仕事に触れた糀dining39シトラスの店主。受け取った淡路島3年とらふぐを一席へつなぐ、料理人の役割を綴ります。

Hirofumi Sonoda
4 日前読了時間: 2分


8月29日 残暑の底で、糀が動く|和歌山の発酵会席
気温が下がると、糀の進み方が変わる。厨房で先に秋を知るのは糀です。紀州・湯浅の醤油文化に連なる発酵会席を、和歌山県有田川町から。全席完全予約制、ご予約の瞬間から仕込みが始まります。

Hirofumi Sonoda
8月29日読了時間: 2分


8月24日 海の旨みを、山の旨みが支える。
和歌山県有田川町の糀dining39シトラス。米糀、うお塩、干し椎茸、自然塩を合わせた自家製うお塩糀で、まぐろと鯛の旨みを静かに深める下ごしらえを綴ります。

Hirofumi Sonoda
8月24日読了時間: 2分


8月23日 次の世代へ手渡すということ
有田川町の糀dining39シトラスが、一皿の手仕事と家族の記憶が次の世代へ渡っていくことを綴ります。お食い初めから節目の会食まで、季節を盛る会席料理、お座敷で囲む祝いの席、味と時間を未来へつなぐ板場の覚書です。

Hirofumi Sonoda
8月23日読了時間: 2分


8月14日 三種の削り節と昆布
三種の削り節と昆布から引く、黄金の一番出汁。素材を前へ出しながら、皿の奥で味を支える出汁の役割と、料理人が見極める香りの境目を、和歌山県有田川町の糀dining39シトラスが綴ります。

Hirofumi Sonoda
8月14日読了時間: 2分


8月13日 鯛は、食べる前から祝っている
和歌山県有田川町でお食い初めを迎えるご家族へ。祝い鯛の向きや形に込められた願いと、糀dining39シトラスが大切にする百日祝いの一席を綴ります。

Hirofumi Sonoda
8月13日読了時間: 2分


8月11日 目に見えないものが、二つ
和歌山県有田川町の和食店・糀dining39シトラスの覚書。岩牡蠣にチーズをのせて焼きました。和食の店で、と思われるかもしれません。けれど糀もチーズも、目に見えないものが働いてできたものです。焼けば殻の中で境目がなくなります。

Hirofumi Sonoda
8月11日読了時間: 1分


8月10日 さっきまで、この水に
和歌山県有田川町の和食店・糀dining39シトラスの覚書。今朝の魚を、獲れた海のすぐ横に並べました。泳いでいた場所と横たわっている場所に、ほとんど距離がありません。六箱それぞれ中身が違い、献立は先に書けません。

Hirofumi Sonoda
8月10日読了時間: 2分


8月9日 紅いのは、果実ではない
和歌山県有田川町の和食店・糀dining39シトラスの覚書。膳の最後にお出しするパンナコッタ。紅いソースは果実ではなく、ビーツを煮て蜜柑の蜂蜜と合わせ、桃に絡めたものです。甘みは花から、紅は土から。白い面には一度しか引けません。

Hirofumi Sonoda
8月9日読了時間: 2分


8月8日 食べない一枚
和歌山県有田川町の和食店・糀dining39シトラスの覚書。夏の器に添える楓は、まだ青いままです。秋に赤くなる同じ葉を、八月は青いまま置きます。誰も召し上がらない一枚に、お出しする直前まで霧を吹く。その理由を書きました。

Hirofumi Sonoda
8月8日読了時間: 1分


8月7日 『千年の一滴』と出会った料理人
― 発酵、千年のバイオテクノロジーに学ぶ ― 発酵 ― 千年のバイオテクノロジー 料理とは、支配するものではない。かつての自分は、火入れも塩も時間も、すべてを「正確にコントロールすること」が料理人の価値だと信じていた。狙い通りの味を再現すること、それが技術であり責任だと疑わなかった。 ただし、『千年の一滴 だし しょうゆ』を観たとき、その前提は静かに崩れた。麹が呼吸し、微生物が見えないところで働き、時間そのものが味を育てていく。その営みは、単なる伝統ではない。一子相伝で受け継がれてきた、千年にわたる壮大なバイオテクノロジーだった。 和食は糀の文化である。 「麹が呼吸し、微生物が働く」その一言が、自分の中に落ちた瞬間があった。だし、味噌、醤油、みりん——和食の根幹にある味の多くは、目に見えない糀の働きによって支えられている。それは技術でありながら、人の手を超えた領域でもある。 衝撃だったのは、職人たちが「作っていない」ということだった。彼らは整え、委ね、そして待っている。音を聴き、香りを感じ、変化の兆しにだけ手を添える。その姿は、料理人というよりも

Hirofumi Sonoda
8月7日読了時間: 2分


8月6日 船に、海が残っている
朝、栖原の岸壁に着くと、船はもう舫われています。 港に着くころには、もう終わっている 沖にいた時間のことを、私は知りません。 暗いうちに出て、明るくなるころに戻る。私が着くときには舫が掛かって、舷はもう静かです。 一日を終えた船と、これからの私が、岸壁で一度だけ会います。箱を受け取るのは、その一点です。 舫われていても、腹は静かでない その船の腹を、しばらく見ていました。 白く塗られたところに水の照り返しが網のように掛かって、絶え間なく形を変えています。黄色の側にも掛かって、そこだけ塗りが揺れて見えます。 船は動いていません。舫ってあるのだから、動きようがない。それでも腹の上では、光がずっと動いています。 海が、まだ船に残っているように見えました。 箱の中身は、この船が持ち帰った 恵比須丸といいます。 この船が持ち帰らなければ、発泡箱は空です。鱧も、鯵も、鯛も、みんな沖の、暗いうちの仕事です。 私が触るのは、そのあとです。魚のことを話しながら箱を受け取って、車に積んで、店に戻ります。 蓋を開けても、何も見えない 戻れば、仕込みが待っています。..

Hirofumi Sonoda
8月6日読了時間: 2分


8月5日 手のかかる魚から、先に触る
和歌山県有田川町の和食店・糀dining39シトラスの覚書。栖原港の箱に鱧が入っていた朝の記録。身は湯引きや黄身揚げでコースに、切り落とした骨は煎餅に、焼いて出汁を取り潮汁にします。いちばん手がかかって、いちばん捨てるところが少ない魚です。

Hirofumi Sonoda
8月5日読了時間: 2分


8月4日 訳あり、と、訳がある。──傷のある柑橘の話
和歌山県有田川町の和食店・糀dining39シトラス。柑橘は友人の専業農家から、傷のついた訳あり品を引き受けています。見た目で選ばない、という一点で、海の魚と大地の果実は同じ考えかたの上にあります。訳あり、と、訳がある、の話。

Hirofumi Sonoda
8月4日読了時間: 3分


8月3日 肉にも、待つ時間がある
和歌山県有田川町の和食店・糀dining39シトラス。黒毛和牛を糀で下ごしらえし、低温でゆっくり火を入れて熟成させています。焼き上げに寒天の海藻ビーズを散らして。和食の板場が肉に向き合うときの、待つという手つきについて。

Hirofumi Sonoda
8月3日読了時間: 2分


8月2日 甘味に、蜜柑の蜂蜜をかける
和歌山県有田川町の和食店・糀dining39シトラス。夏の甘味が桃から無花果に変わりました。紀州の無花果と三色団子に、隣町・有田市の養蜂家が採った蜜柑の蜂蜜を。実ではなく花のほうの甘みについて。

Hirofumi Sonoda
8月2日読了時間: 2分


8月1日 献立にひとつ、何も足さない皿を置く
昨日の献立を、見返していました。 先付から甘味まで、ほとんどの皿に糀が入っています。 ひとつだけ、何も足さない 醤油糀、ポン酢糀、発酵バター。 この店の皿は、たいてい何かが醸されています。 けれど焼き物には、塩しか使いません。 足赤海老と、あじ。塩をあてて、焼く。それだけです。 続くと、分からなくなる 旨味の濃いものが続くと、舌はそれを覚えてしまいます。 覚えてしまうと、次の一皿の輪郭がぼやけます。 だから、途中に何も足さない皿を置きます。 そこで舌がいちど戻る。戻ってから、次の皿に会う。 引いた場所があるから、足した場所が効く。 献立を組むというのは、足すことよりも、どこを空けるかを決めることです。 海老の甘みも、あじの脂も、もともと魚が持っていたものです。 塩と火は、それを隠さないためだけにあります。 足赤海老塩焼き 空いている場所も、仕事のうち うお塩が乾き上がるまで三日かかることを、昨日書きました。 並べて、置いて、見ているだけの三日です。 献立の中の空きも、あの三日も、板場では同じように数えます。 何も起きていないよう

Hirofumi Sonoda
8月1日読了時間: 2分


7月31日 三日目の魚
一昨日、天日に並べた魚があります。 今日で、三日目です。 三日は、縮められない うお塩になる小魚は、塩をあてて寝かせ、焼いてから、天日に置きます。 乾くまで三日。急いでも、二日にはなりません。 早く仕上げる方法が、ないわけではないのでしょう。 けれど、この三日を削ると、別のものになります。 水分が抜けていく速さは、こちらが決めることではありません。 魚の厚みと、その日の日差しが決めます。 待つ時間は、仕事に見えない 板場の仕事のうち、外から見えるのは切る、焼く、盛る——動きのある部分です。 けれど、うお塩の三日間に、動きはありません。 干した小魚 並べて、置いて、見る。それだけです。 見ているあいだ、何も起きていないように見えます。 実際には、いちばん大事なことが進んでいます。 有田川町のこの板場には、そういう時間がいくつも並行して流れています。 糀も、手を動かす時間より待つ時間のほうが長い。 隣町の湯浅で醤油が生まれたのも、待つ技術が根づいた土地だったからです。 今日、この魚を挽きます。 三日ぶんの時間が、粉になります。...

Hirofumi Sonoda
7月31日読了時間: 1分


7月30日 頭も骨も皮も、スープに沈める
和歌山県有田川町の和食店・糀dining39シトラスでは、大きな魚は身を造りや焼き物に、頭も骨も皮もスープに沈めます。一尾を使い切るための、当店の考え方について。

Hirofumi Sonoda
7月30日読了時間: 1分


7月29日 定休日の板場で、魚を干している
和歌山県有田川町の和食店・糀dining39シトラスは水曜が定休日です。店を閉めた日の板場では、小魚を天日に並べ、糀を仕込んでいます。営業していない日にしか進まない、発酵という時間のかかる仕事について。

Hirofumi Sonoda
7月29日読了時間: 2分
有田川町で接待・会食をご検討の方へ
記事は掲載当時の記録です。現在の料理・料金・お席は、各ご案内ページでご確認ください。
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