8月3日 肉にも、待つ時間がある
更新日:8月17日
魚の店だと思われることがあります。
港へ行く朝の話ばかり書いてきましたから、無理もありません。
板場は、肉にも同じ手つきで向かう
黒毛和牛です。
けれど、この皿でしていることは、魚のときと変わりません。

糀で下ごしらえをして、低温で、ゆっくり火を入れる。
そのまま置いて、熟成させます。
火を強くしない、という選択
強い火は、早い。
表面を締めて、香りを立てて、それで一皿になります。
低い火は、遅い。
そのかわり、肉の内側で何かが進むのを、邪魔しません。
糀を当てておくと、置いている時間が仕事をします。
何をどう変えているかは、この店の芯にあたるので、
またあらためて書きます。
こちらは、待っているだけです。
陸のものに、海が一粒
焼き上げに散らしているのは、寒天の海藻ビーズです。
寒天は、海藻からできています。
牛は、陸のものです。
山と海が、ひとつの皿の上でようやく出会う。
紀州という土地は、その距離がとても短い。
朝に港へ出向いて、昼には山あいの店に戻っている、その短さです。
早く出せるものと、早く出せないもの
早く出せる料理は、たしかにあります。
けれど、待つことでしか出ないものも、この板場にはあります。
肉も、そちら側です。
糀dining39シトラス
和歌山県有田川町小島215-5/0737-52-3939
昼11:30-14:00/夜18:00-22:00(水曜定休)





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