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8月1日 献立にひとつ、何も足さない皿を置く

昨日の献立を、見返していました。 

先付から甘味まで、ほとんどの皿に糀が入っています。


ひとつだけ、何も足さない


醤油糀、ポン酢糀、発酵バター。 

この店の皿は、たいてい何かが醸されています。


けれど焼き物には、塩しか使いません。 

足赤海老と、あじ。塩をあてて、焼く。それだけです。


続くと、分からなくなる


旨味の濃いものが続くと、舌はそれを覚えてしまいます。 

覚えてしまうと、次の一皿の輪郭がぼやけます。


だから、途中に何も足さない皿を置きます。 

そこで舌がいちど戻る。戻ってから、次の皿に会う。


引いた場所があるから、足した場所が効く。 

献立を組むというのは、足すことよりも、どこを空けるかを決めることです。


海老の甘みも、あじの脂も、もともと魚が持っていたものです。 

塩と火は、それを隠さないためだけにあります。

足赤海老塩焼き
足赤海老塩焼き

空いている場所も、仕事のうち


うお塩が乾き上がるまで三日かかることを、昨日書きました。 

並べて、置いて、見ているだけの三日です。


献立の中の空きも、あの三日も、板場では同じように数えます。 

何も起きていないように見える場所が、いちばん効いている。


そういう皿が一つあるだけで、献立はまっすぐ通ります。



 



糀dining39シトラス 

和歌山県有田川町小島215-5/0737-52-3939 

昼11:30-14:00/夜18:00-22:00(水曜定休)

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