8月13日 鯛は、食べる前から祝っている
更新日:9月28日
鯛は、食べる前から祝っています。
祝いの席では、頭を左へ、腹を手前へ。
それは単なる置き方ではありません。これから始まる時間を、正しい姿で迎えるための作法です。
願いを、目に見える形へ
お食い初めは、赤ちゃんが生まれて初めて食卓を囲む節目の一つです。
まだ本当に食べるわけではなくても、膳を整え、祝い鯛を据え、家族が見守る。
そこには、これから食べることに困りませんように、健やかな日々が続きますように、という願いが宿ります。
言葉だけでは見えない願いを、料理の形にする。
祝い膳とは、そのためのものなのだと思います。

鯛を置く、その前に
尾頭付きの鯛は、ただ焼いて皿へ運ぶ料理ではありません。
鱗を整え、ひれを守り、姿を崩さず火を入れる。席へ運ばれたとき、頭の向きや腹の見え方まで整って、初めて祝いの姿になります。
料理人が触れているのは、鯛だけではありません。
その日を迎えたご家族の気持ちに、形を与えています。

家族の真ん中に残るもの
祝い鯛の隣には、小さな膳があります。
そして、その向こうには赤ちゃんを見つめる人の表情があります。
何を食べたかは、いつか薄れるかもしれません。それでも、誰と囲んだか、どんなまなざしが注がれていたかは、写真や語りの中に残っていきます。
一尾の鯛が結ぶのは、一日の献立だけではありません。
今日と、これからの家族の時間です。
有田川町でお食い初めをお考えの方へ
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