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8月14日 三種の削り節と昆布

8月14日
読了時間: 2分

更新日:8月17日

湯気の向こうに、色はほとんどない。

けれど、椀を口元へ運ぶと、静かな香りが先に立つ。

見えないものほど、味の輪郭を支えている。


重ねるのは、強さではなく役割


糀dining39シトラスの出汁は、三種の削り節と昆布から始まります。


ひとつの香りだけを前へ出すのではありません。それぞれの節が持つ香りと旨味、昆布の穏やかな下支えを重ね、料理の奥に残る土台を整えます。


出汁そのものが目立てばよいわけではありません。魚や野菜、糀で醸した下ごしらえが一皿の中でほどけるとき、その間を静かにつなぐこと。それが出汁の役目です。



黄金色の出汁を表現した水面と紅葉、有田川町の糀dining39シトラス

昆布から受け取ったものを、削り節へ渡す。香りが開いたところを見極め、澄んだ一番出汁を引きます。


大切なのは、濃くすることではなく、どこで止めるか。引きすぎれば香りは重くなり、早すぎれば料理を支えきれません。鍋の中を見ながら、香りと色の境目を待ちます。


完成した出汁は、黄金に澄んでいても、皿の表にはほとんど姿を見せません。けれど椀物にも、煮物にも、その日の素材を結ぶ静かな旨味として息づいています。


見えない土台があるから、素材は自分の味を語れる。

それが、和食の「理」です。


糀dining39シトラス

和歌山県有田川町小島215-5

0737-52-3939

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